はじめに

就職活動をする際に、一番時間を費やすのが企業分析という方も多いのではないでしょうか。
自分がどのような業界や企業で働きたいのかを考えるのが、就職活動の第一歩とも言えます。
その時に考えるのが、企業分析したその企業は、ホワイト企業かどうかという点です。
ホワイト企業に就職することで、社内環境や待遇が良い状況下で働くことができ、
社会人として充実した働き方ができます。
今回は、皆さんが充実した会社に就職できるように、一般的なホワイト企業の特徴、ランキング、
逆に一般的なブラック企業の特徴を紹介します。

ホワイト企業とは

「ホワイト企業」に明確な定義はありません。人によって、会社に対する考え方は違うからです。
しかし、一般的に以下のような点がホワイト企業の指標になることが多いです。

  • 従業員の平均勤続年数が15年以上と長い
  • 平均年収が600万円以上
  • 1か月の残業時間が20時間以内
  • 平均有給取得率が60%を超えている
  • 福利厚生が充実している
  • 経営状態が良く企業が成長している
  • 研修制度が整っている
  • コンプライアンス遵守
  • 女性だけでなく男性の育児休業取得率も高い
  • 若いうちからスキルアップできる仕事に携われる

皆さんにとって、どれを重視するかは、人それぞれ違うため、上記の指標を参考に働くうえで何が自分にとって大切かを考えて企業選定を行うことをお勧めします。

ホワイト企業ランキングTOP10

以下の表はSHEM 非営利一般社団法人 安全衛生優良マーク推進機構で
2023年度10月に更新されたホワイト企業ランキングになります。

1社会福祉法人青谷学園
2小柳建設株式会社
3株式会社東洋開発
4ケーブルテレビ株式会社
5アスカカンパニー株式会社
6社会福祉法人美芳会
7名古屋眼鏡株式会社
8株式会社千葉銀行
9福井県民生活協同組合
10株式会社岩手銀行
参考:https://shem.or.jp/top100-2023-10

このようにくるみんやユースエール、○○認定と評されている企業は多いため、皆さんが企業分析している会社は、
認定の評価を受けているかを確認してみてください。

ブラック企業とは

ブラック企業とは、極端な長時間労働や過剰なノルマ、残業代・給与等の賃金不払、ハラスメント行為が横行するなどコンプライアンス意識が著しく低く、離職率が高い、若者の「使い捨て」が疑われる企業の総称とされています。
厚生労働省「確かめよう労働条件」では、下記のような記載があります。

「ブラック企業」ってどんな会社なの?
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

参考:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html

ブラック企業の特徴6選

下記からブラック企業の特徴を紹介します。一般的にブラック企業と言われる企業の中で
代表的な特徴を6つ挙げています。当てはまる項目が多いほど、ブラック企業の可能性は高いので、
皆さんの勤めている企業、転職・就職を考えている企業はいくつ当てはまるか数えてみてください。

  • 長時間労働・過重労働
  • 休日が少ない・有給が取れない
  • 給与が低い
  • 残業代が出ない
  • 離職率が高い
  • 社内で精神論が多い
長時間労働・過重労働

まず、なんといってもブラック企業の特徴は「長時間労働」が多いことです。長時間労働が無ければ「ブラック企業」に入ることもないでしょう。原則、月45時間・年360時間が残業の上限となり、これを超えるような残業は違法となります。

Vorkersの調査によると、月の平均時間として最も多く回答されたのが30時間の14.5%ですが、
残業時間が30時間以上と答えている労働者が50%以上いるそうです。

参考:「調査レポートVol.4|Vorkers」

休日が少ない・有給が取れない

カレンダー通りに休んだとすると、1年間で120日前後の休日があります。平均的な年間休日数も120日程度です。年間100日以下の休日の会社は、少ないといえるでしょう。
さらには、80日を下回るようでしたら、休日数に関してはブラック企業と言えるでしょう。年間80日の休日と言えば、月に6日程度、1週間に1日~1.5日しか休めていないことになります。

また、労働基準法第39条では「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。」と明記されています。
「有給の付与」は義務なものの、「有給の消化」自体は労働者の自由です。
しかし、有給を取りたいという申し出に対して「有給休暇は取れない」などの対応をされた場合は違法といえ、ブラック企業である可能性は高いでしょう。ですが、業務が忙しく断られる可能性もあるのでそこは、業務との兼ね合いで
取るように心がけましょう。

給与が低い

月給の中に「固定残業を含みます。」と記載のある企業は、給与が低い可能性があります。
ボーナスは、企業によっても変わりますが、大体の企業が残業代を含めない月の給料で換算するため
その分支給されるボーナスも少なくなり年収が少なくなります。
また、労働者に支払われる賃金には、厚生労働省が定める「最低賃金」をうわ待っている必要があり、これを下回っている場合は違法となります。

例) 月:21万円(3万円は固定残業を含みます)となるとボーナスは、21万-3万=18万を基準とした計算となります。

残業代が出ない

ブラック企業は、残業が多いことがほとんどなのですが、更に働かせた分の賃金をそのまま払わないのです。
また、上記に記載の固定残業がある企業は、残業時間が多い傾向にもあります。しかし、いくら残業しても給料は変わらないというのは間違いです。固定残業制度を導入するのであれば、「あらかじめ何時間分の残業時間で、いくらの残業代を支払っているのか」を明確にする必要があります。労働者は、その時間を超えた残業をした場合、
超えた時間数に応じて残業代をプラスでもらえる権利があります。
ホワイト企業は、1分 or 15分単位などで残業代が出ます。

離職率が高い

劣悪かつ粗悪な労働環境で働いていると、当然ながら従業員は離れていきます。また、言い方は悪いですがブラック企業は、使えなくなった社員を簡単に切り捨てます。とても離職率が高く、入れ替わりが激しくなっています。
離職率に関しては、四季報で確認するのが、良いと思います。四季報は、毎年11月に発行されています。
記者が一社一社を独自に取材し、会社パンフレットやホームページに掲載されている宣伝のような情報ではなく、
データに裏付けされた中立的・客観的な情報を掲載しています。
「3年後離職率」「残業時間数」「有給取得日数」など、他の就職情報誌では見ることができない情報が満載です。
また、そこまで大きい会社でないのに年間の採用人数が多い企業もそれほど入れ替わりが激しく、
人員が必要とのことなので危険です。

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社内で精神論が多い

一見、「やる気」・「情熱」・「成長」という言葉はよく聞こえ、企業理念等で使用している企業は多くありますが、
そのような言葉を頻繁に使用している企業は、ブラックの可能性があります。
また、社員をギリギリまで使い潰すために、壮大なビジョンを語ることが多いのもブラック企業の特徴です。

例えば

  • 「やる気」「情熱」といった言葉で社員を盛り上げようとする
  • 「世界」「平和」など壮大なビジョンを語りたがる
  • 「夢」「自己実現」など仕事を自分の頑張りに結びつけようとする

といった精神論を多用する会社がそれに当たります。

これらは、到底こなすことのできない仕事量を、気合いややる気といった精神論で納得させたり、大きなビジョンと結びつけることで意義を感じさせたりするための方法です。

また、こうしたブラック企業では、

  • 朝礼で社訓を大声で読ませる
  • 体力的に辛いだけの訓練がある

などの特徴もよく見られます。

精神論や根性論が持ち出される会社では、無理な働かせ方や、過大なノルマが日常化していることがあるので注意が必要です。

まとめ

ホワイト企業とブラック企業は、労働環境や社員の幸福度において大きな対照を示します。
「せっかく新たな環境になったのに、ブラック企業だった。」ということを防ぐために
今回の記事を参考に、企業分析をし、皆さんのワークライフをより良いものにしてください。
準備があれば、新たなキャリアパスを築くことができるでしょう。

また、自分自身だけでなく、転職のプロに相談するのも良いでしょう。転職エージェントは、キャリアの新たなステップを支援する強力なツールであり、適切に活用すれば、理想の仕事に近づく手助けとなるでしょう。